R6.2.17 こども分科会 第5回 不登校フォーラム

「ゲームと居場所と不登校 さぁ、みんなで考えよう」不登校フォーラム

参加者:39名
令和5年11月30日に、第4回こども分科会を開催することができました。
前回同様、こどもたちに関わるたくさんの活動団体に参加いただくことができました!
今年度のこども分科会では、こどもたちに関わる団体の活動をもっと広めたい、繋がりた
いという思いをもとに「出会い・知り合い・つながり合おう~くるめの町の活動団体」と
いうテーマで、意見交換を行っております。

◯実施日時:2024年2月17日(土)14時~17時
◯場  所:久留米大学の地域連携センター「つながるめ」
◯主  催:久留米市(久留米市障害者基幹相談支援センター)
◯後  援:久留米市教育委員会

◆開催趣旨
基幹相談支援センターでは、年々、児童期の相談が増えています。障害福祉の分野のみでは拾いきれないケースや、不登校の相談、グレーゾーン、生きづらさを抱える子どもたちの相談も増えてきているのが現状です。
そうした中で、久留米市地域支援協議会こども分科会においても、第3期久留米市障害者計画である「支援が必要なこどもの発達支援と保育・教育の充実」に基づいて、不登校や障害のある児童を含めたこども達の実態を把握しながら課題の整理を行い、補完できる資源や仕組みを検討してきました。
子どもたちをとりまく環境はさまざまであるため、多角的な面から関わることで子どもたちの力を育めるよう、障害福祉分野だけではなく色々な分野の支援者や活動団体同士が互いに知り合い、繋がり合うことが必要だと考えます。子どもに関わる関係機関や民間活動団体が集まり定期的に意見交換を行うことで子どもたちを中心にしたネットワークづくりを行ってきました。
また、障害に対する抵抗感のある保護者の中には、どこにも相談できず不安なまま子育てしているケースや子どもの生きづらさ、不登校に悩みどこに相談したらよいかわからず孤立しているケースがあることもわかってきました。
そこで、今回の研修は、まだどこにもつながっていない方々にも参加していただきやすくなるように、保護者にも関心の高い「不登校」や「ゲーム」というキーワードで研修を企画しました。親子が繋がる先や相談先を見つける機会をつくれるよう、そして障害のある子どもや生きづらさを抱える子どもたちが安心して暮らせる地域となるよう、令和5年度障害者基幹相談支援センターの研修として開催することにいたしました。

【第1部:知ろう】 テーマ「ゲームと子ども達 ~大人はどう向き合う?~」
講師 (株)戦国 西田 圭 社長
ご自身が、ゲームという世界を知らなかった大人だったというところから話が始まり、続いて『プロeスポーツ』はプロ野球チームと同じであることやゲームに熱中する若者への見方が変わったこと、「ゲーム」はその子にとっての居場所でもあり世界とつながっていることや西田さんご自身も子を思う一人の父であり、参加者の皆さんと同じ目線に立ちながらも、今感じるゲームの可能性を教えてくださいました。最後は、西田さんから、参加者の皆さんに「子どもさんの目を見て、良いところを5つ言ってください」という宿題をいただきました。

【第2部:出会おう】 シンポジウム テーマ「久留米のリアル~何が正解なの?~」
【シンポジスト】
(株)戦国            西田 圭         
不登校親の会「ダンデライオン」 内山 忍
こどもの居場所「じじっか」   中村 路子
久留米大学病院小児科      石井 隆大
コーディネーター お母さん大学  池田 彩

各人の立場から不登校という問題に関わっていく中で感じていることなどをお話しいただきました。
・内山さん『たくさんのつながりがあったからこそ今がある。』
・中村さん『引きずって学校へ連れて行った経験もあり、それが正解だと思っていた。』
・石井先生『睡眠や食の大切さ、生活習慣を変えるには大人の覚悟が必要なこと、ゲーム依存とその境目、普段聞くことのできないこと。』
・池田さん『自分だけでは対応しきれなかった思春期真っただ中の長女を今、中村さんにサポートしてもらっていること 』
などを不登校の子をもつことで体験したことや、感じたことなどを話していただきました。
最後の質問コーナーでは、学生の方から「とことんやることも大事では?」という質問もありました。

【第3部:繋がろう】 相談、情報コーナー 
■医療に関するブース(久留米市療育支援事業の委託先)
・聖ルチア病院 ・のぞえ総合診療病院 
■学校や将来に関するブース
・学校教育課 ・青少年育成課
■行政やサービスの利用に関するブース
・基幹相談支援センター ・こども子育てサポートセンター
「つながるめ」のオープンスペースを活用し、3つのブースを設置。人とつながったり、雑談したり、必要に応じて相談できる場や情報提供の場を設けました。
医療のブースでは、精神障害や発達障害の子(疑惑も含む)のことで悩む保護者が相談する場面が多くみられました。サービスの利用に関する相談もあり、支援者とつながっていく様子が多くありました。
情報提供や相談の場として地域資源のコーナーを設け、久留米近郊で活動している19の団体さんのパネルとパンフレットを設置し、それぞれが対話できるように工夫しました。地域資源の情報は引き続き、基幹センターのHP「仲間と出会う・居場所を見つける」に掲載しています。

会場内での取り組み
・キッズスペースコーナー
隣では講演会の様子を生配信。子どもを遊ばせながら講演を聞くこともできたと好評でした。くるっぱも登場し子どもたちの笑顔があふれました

・(株)戦国のeスポーツ体験コーナー
大人も子どもも一緒にゲームを体験。多くの方が体験し大変盛り上がりました。

・ドリンクコーナー
ぷらっとどっとの方々が参加者の皆さんに珈琲を振る舞い、和やかな雰囲気で交流することができました。

◆参加者アンケート(40名)
・満足度(大変満足、満足合せて) 第1部:75%、第2部:95%、第3部:67%
・障害の診断の有無 有:14%(手帳有:40%、手帳無:60%)、無:85% 
・障害福祉サービスの利用 有:15% 無:85%
・ゲームは絶対「悪」と思っていたけれど、そういえば自分も子どもの時は楽しんでいたし、今はもっと世界が広がっているものなんだなぁ。そして子どもにとって居場所なのかと、見方が変わりました。
・目の前が真っ暗になっていたところだったので、希望の光をいっぱい見られた気がしました。
・娘もゲームが大好きで、日々困ることがありました。夜寝る時間も遅く、睡眠の事も気になっていました。
・ゲームの事、睡眠の事、色々とためになる話を聞かせていただきとても分かりやすく感謝しています。
などたくさんご感想をいただきました。

◆まとめ
当日は、定員100名をはるかに超えた170名以上の来場者となり関心の高さがうかがえました。保護者、教育関係者、福祉関係者、医療関係者、行政関係者、市民活動団体、地域の方、子どもたちと様々な立場の方が共に集いつながる研修となりました。参加者の中には、子どもに障害があるという認識は少ないけれど、わが子のことで悩み、親も子どもも相談できる場所を求めている方もいることがわかりました。
もしかしたらわが子には障害があるのかもしれない、通院したほうが良いのかもしれない、でも誰にどう聞いたらいいかわからない、という気持ちを抱えた保護者の方々がいるので、研修自体は障害と直接結びつく構成には遠かったかもしれませんが、そのような方々が少しでも誰かとつながり、不安を軽減できるような機会となれたのではないかと思います。障害の有無に限らず子どもに関する悩みを聞いてくれる場所が誰のそばにも身近にある地域になるように、久留米市が安心して暮らせる町になるように今後も取り組んでいきたいと思います。

最新の研修報告

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