9月1日、「厚生労働省政策企画官「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部の野﨑伸一氏と語りあおう」を開催しました。福祉や医療関係の経営者の参加者が多く、定員の70名を上回る92名。久留米市での事例も発表していただきました。
野﨑氏による講演
9月1日(木)、厚生労働省「我が事・まるごと」共生社会実現本部事務局長の野崎伸一さんにお越しいただき、『「我が事・丸ごと」地域共生社会実現』と題して、主に3つのテーマ、「地域づくり」「公的なサービスの統合化」「専門人材の育成の見直し」についてお話していただきました。
日本は超少子高齢社会を迎えた今、その上に核家族や単身世帯の増加となり、介護や子育て支援についての課題が深刻になっています。多くの人々が「他人事」のように考えているかもしれませんが、高齢化に伴い高まる介護ニーズや認知症高齢者の増加、発達障害ニーズ・癌羅患率の上昇、ひきこもり・精神疾患、難病患者の増加というデータを見ると、ほとんどの人が身近な問題、「我が事」になっています。また、支援される側が急増する一方で、生産年齢人口は減っていき、今後の医療・福祉のニーズの増大に対応するマンパワー、支援者不足も加速化していきます。
そこで、今年の7月15日、国は「我が事・まるごと」共生社会実現本部を立ち上げました。講演の中で、野﨑氏は何度も「誰でもちょっとずつ地域づくりしていこう」と発言。サービスに頼りがちな自分たちの考えを大きく変えていかなければならないと思いました。
久留米市での実践例紹介
講演会の後半では、大きな柱のひとつの「地域づくり」のイメージを会場の方々と共有するために、久留米市で実践されているこうれい研の吉永美佐子さんに「タウンモビリティを使ったまちづくり」、みんなのサロンSORA代表の村谷純子さんに「みんなのサロンSORA~愛が集まり愛として羽ばたく」をテーマとしてお話していただきました。
来場者アンケートより、感想をご紹介します
野﨑さんや久留米市の実践例が「参考になった」という感想をたくさんいただきました。
ありがとうございました。抜粋編集してご紹介します。
〇これからは地域で支えていかないといけないと介護の世界でも言われている中で、久留米市でも少しずつ取り組み始めている所ではあるが、まだまだ理解が得られない状況もある。ただ仕掛けを作る事で、一歩踏み出す事ができるのではないかと改めて思った。
〇居場所を作るには、きちんとした場所が必要なのではなく、同じ想い、一緒に行う人がいれば、その居場所になると分かった。
〇今後の福祉の方向性、考え方をもっと柔軟にきめ細かく進めていく必要性があること。難しく考えず日常生活の中での課題から皆で考え実現していけば良いことが分かった。
〇近い将来の姿、地域共生でなければやっていけない時が来ることを知る。
〇地域にモデルケースははまらない。それぞれで発進したものでないとはまらない。ただ、ボランティア・自発的気持ちによること(それがベストではあるが)に予算をどのような角度で付けていくか。そこも一つの課題なのかなと思った。
〇色んな面と面が重なり合って自然なコミュニティが出来る。通常のことを忘れかけていた自分に気付かされた。ありがとうございます。
〇公的サービス減少に伴う地域コミュニティの役割の重大化、自身が所属する社会資源の視点を通して考えさせられた。アイデアを具現化する為には何が必要かじっくり考えてみたいと思うきっかけになった。
〇内容は分かりましたが、現段階ではイメージの要素が強いと感じた。住民の主体性に依存すると難しく、公的なサービスを併用する事が必要だと思う。必要なサービスを検討して取り入れて欲しいと思う。(特に移動面)
〇SIBに光をあてて、winwinの関係を世の中に広めて行きたい。誰も損をしない。
〇ソーシャル・インパクト・ボンドの実践事業の推進を期待している。
〇非常に興味深かった。高齢・障害・児童・地域が混ざりあって、どこかに無理がかからず行える活動は継続する為には必要だと思われた。
〇具体的な取り組みはこれからだとは思うが、地域貢献・社会貢献と言われる活動が無意識なスタンダードになる事が大切になってくると感じた。
〇基幹センターさんの研修は、福祉にとどまらず大きな目で、国として、市民として方向を考えられる内容のものを今後も開催してほしい。今回とても良かった。
〇介護と障害を繋ぐためにも支援員とケアマネが顔を合わせられる研修を希望。実際のところ、介護のケアマネさんは障害福祉に関してほとんど無知だと思う。
開会挨拶 医療法人コミュノテ風と虹 理事長 堀川公平氏(右)
閉会挨拶 社会福祉法人ゆうかり学園 理事長 日野博愛氏